ちち山から笹ヶ峰周回  ―  深雪晴の一日、冬木立と雪の稜線を楽しむ

雲ひとつなし、寒風山~笹ヶ峰の稜線を望む お正月は恒例、鎚年始詣でを再開。昨年はコロナ禍で初中止の憂き目にあったけど、今年は成就であるはずの登山届綴が行方不明でウロウロ、霧氷も雪量も雀の涙にも、もう慣れっこに。アイゼン付けて雪のない木道を歩かざるを得…

平家平から冠山へ ― 霜降月、紅葉の名残を探して笹原漫歩

紅 葉 せ り 何 も な き 地 の 一 樹 に て (平 畑 静 塔) コロナ禍で明け暮れた2021年も早や霜降月に。その影響は大きく、恒例の県外行は中止、人と会う機会が減るであろう、ウイークデイの山歩きにすっかり慣れ親しんで、日曜日を使うのはグループの例会だけ…

二ッ岳から権現越へ ― 紅葉も美しい、お四国随一といわれる峻険ルートを行く

夕照の中、黒く浮かび上がる東赤石連山。 神無月。中旬に入ると、猛威を振るったデルタ株もやっと落ち着いてきた。とはいえ、お山では極力、人と会わないコースを選択するのは当然といえば当然のこと。感染下り坂のこの機会を捉えて、そろそろピークであろう紅葉を…

伊予富士 ― 五葉松&三角錐の岩峰に遊ぶ

霧氷輝く、初冬の伊予富士 (2018.12.15) 伊予富士(1,755.97m/三等三角点)。 展望の良さは特筆ものだけれど、山容は全国に数多ある〇〇富士とは似ても似つかない。名前と山容が一致しない、変わったお山だ。 もっとも、UFOライン第三号隧道入口辺りから眺め…

黒森山から沓掛山へ ― 吉居集落から古の笹ヶ峰参詣道を歩く

黒森山から遠く笹ヶ峰の稜線を望む 葉月8月、立秋とは名ばかりの猛暑から中旬には早くも秋雨前線? ジェット気流の蛇行に北寒気の流入、弱太平洋高気圧で晴れる要素は皆無。この気分屋天気にデルタ株蔓延がオンでは、お山は月末までお休みせざるを得なかった。 四国…

夏、瓶ヶ森 古の鎖道を行く

ガス走る氷見二千石原 瓶ヶ森(女山/二等三角点 亀ヶ森/1,896.22m)は、隆起準平原の名残といわれる、広さ約50~70ha(推測)の広大な笹原が特徴のお山だ。その笹原は、広さが麓にあたる伊予国氷見村(現在の西条市)の石高2,000石に相当するとして、氷見二千…

水無月は花めぐりの旅に

フクリン(覆輪)ササユリ 笹に似た葉の縁が白くなるササユリの一種。美しい。 新コロナもあって、しばらく人に会わないであろう、ブッシュ歩きが続いていたけれど、ワクチン接種が始まってやっと2回目の接種も終えた。 季節も6月、標高2,000㍍を下回る石鎚山系(以下、「…

二ノ岳 ― 石鎚山展望台の低山歩きを楽しむ

二ノ岳への稜線上からの石鎚遠望、手前は成就社。 平年よりめっちゃ早かった、梅雨入り。つかの間の梅雨晴れとなった日曜日、二ノ岳(にのだき・1,156.4m)から菖蒲峠に至る稜線を歩いた。新コロナの蔓延防止措置も解除され、気分的に少し楽になったものの、マスク…

笹倉から冠岳へ ― 2021GW最後のブッシュ歩き

山毛欅と笹、石鎚山系の典型的な尾根筋の景色だ。 晴天の少なかったこのGW、新コロナの蔓延防止措置適用で、平地での外出は極力、手控え。お山も同様に、人に会う確率を最も減らせる、超マイナーコースを選択するほかなかった。もともと人嫌いの傾向、強いだろと自嘲し…

五代ヶ森へ  五代の別れ-五代ヶ森-鉄砲石川周回 究極?の笹ブッシュを行く。

五代ヶ森山頂から東温アルプスを望む。 五代ヶ森(ごよがもり/標高1,713m、以下同じ。)。石鎚山系・二ノ森~堂ヶ森間を歩くといやでも視界に入ってくる、南に延びる長~い尾根の盟主となるお山だ。古くは、五葉ヶ森と記したらしい。なんでも山域に五葉松が多か…

皿ヶ嶺 ― 冬春夏秋

まず、お山の名前が一風変わっていて、面白い。 お山のあらましと山名の由来は、1973(昭和48)年発行の「愛媛の山と渓谷 中予編(愛媛文化双書16・以下、「中予編」という。)」に、著者の愛媛大学山岳会 山内 浩会長(当時)が次のように書かれている。 「…

二ツ岳 ― ほぼ一年ぶりの峨蔵越は霧氷の世界

鯛の頭への中途、赤星山の裾野に広がる雲海と霧氷 超マイナーコースの峨蔵越~赤星山を昨年5月に歩いて以来、ほぼ一年ぶりに旧土居町浦山・県道131号線を走る。変わっていたのは、中の川登山道を横切る、開削工事中だった道路が完工していたことくらい。この山域は…

裏参道から二ノ森へ  お久しぶりのお泊り・焚き火もするべ。

モルゲンロートに染まり、ピンク色に輝く霧氷の杜 如月。この時候になると、どうしても裏参道が気になってくる。そしてここを歩くなら、登るべきは二ノ森(1,929.6m)だ。西面の保井野や梅ヶ市からのアプローチだと、雪が少なければ夏時間に近いコースタイムで冬も楽々日帰りで…

雪の相名峠  冬日和の一日、六花踏む響きを楽しむ

銀木立 ―堂ヶ森を行く― (2014.3.8) 古来、「雪は豊年の瑞」と言うけれど、大寒波だった成人の日の三連休も過ぎた。雪も人ももう落ち着いたであろう14日(木)、相名峠(あいなのとうげ/1,156m)を歩いてみることに。程よい積り具合の冬木立の散策が狙いだ…

2020年(令和2年)の記録   郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く - ⑤ 巻機山

草紅葉真っ盛りの巻機山 本峰稜線 10月2日(金) 天気:快晴 ガスと小糠雨に祟られた荒沢岳を下り、関越道経由でその日のうちに六日町清水のお宿へ入った。学生時代にお世話になった民宿は建て替わり、ご当主も2代目と四十数年の歳月が情景をすっかり変えてし…

2020年(令和2年)の記録 郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く – ③ 尾瀬逍遥の旅・後編

早暁の尾瀬ヶ原・下田代を行く 9月30日(水) 天気:快晴 4:00起床、まだお星さまが天空に残り、天場も静かだ。手早く朝食を摂って中を整理し、ツェルトを畳む。霜も降りず、乾いていて有難い限りだ。現役時代と違って、1時間以内に整えて出発なんてきまりもなく…

2020年(令和2年)の記録  郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く – ② 尾瀬逍遥の旅・前編

会津沼田街道をゆく。 9月29日(火) 天気:快晴 昨日の平ヶ岳とは打って変って、快晴だ。今日から1泊2日で尾瀬に入る。2018年初夏は、至仏山から尾瀬ヶ原を抜け、燧ヶ岳、会津駒まで縦走した、花めぐりの旅だったが、今回は、草紅葉と紅葉を堪能しながら、2…

霜降月、東光森山から野地峰へ ― 秋翳の下、舞い落ちた枯葉の音を楽しむ

お四国の花の名山・赤石山系のスカイライン 冬隣の時候も過ぎた11月上旬、東光森山(1,486.2m)から野地峰(1,279.4m)まで約9.8kmを歩いてきた。R194から県道17号に続くアプローチ道は、まだまだ楓紅葉が鮮やかだった。土佐大川村朝谷の山村広場に車をデポし、相棒を…

2020年(令和2年)の記録 郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く - ④ 荒沢岳

荒沢岳山頂からガス走る、魚沼三山・魚沼駒ヶ岳(右)、中ノ岳(左)を望む 10月1日(木) 天気:曇時々小雨、ガス走る 荒沢岳(1,968.6m)は、上越国境(くにざかい)の中ではどちらかというと不遇と思える孤立峰だ。盟主平ヶ岳(2,141m)には遠く、ここから…

深秋の筒上・境界尾根から笹倉へ ― 山系随一といわれる雑木紅葉を味わう、日帰り周回の旅

蒼天と紅葉。圧倒される情景だ。 10月下旬、寒冷前線を追い払うかのように北の高気圧が張り出してきた。冬と違って一日限りの吹き出しの収まった日曜日、かねてから石鎚山系でも山毛欅、楓類や満天星紅葉の美しさを謳われる、この稜線を歩くことにした。 愛…

2020年(令和2年)の記録  郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く ① 平ヶ岳

尾瀬裏燧林道 シボ沢 ・ 裏燧橋からの平ヶ岳遠望 9月28日(月) 天気:小雨、ガス走る 上越国境(くにざかい)の盟主、平ヶ岳(2,141m)は、尾瀬・景鶴山から大白沢山・剣ガ倉山を経て、兎岳に至る縦走路(踏分道とブッシュのミックス)の中間点に鎮座する。名前のと…

2020年(令和2年)の記録 郷愁の上越国境の山々と草紅葉映える尾瀬を行く

枝折峠(魚沼駒ヶ岳登山口)にあった魚沼市の自然公園案内板 【プロローグ】 2020年の県外山行先 - 新潟県は、上越、中越、下越と佐渡の四つの地方に分かれていて、上中下越の区分は、かつて宮様のおわした京都からの距離だったらしい。 お山に関しては、上越国…

鞍瀬ノ頭・避暑山行 ― ツェルト担いで夜景&お星様、観に行くべ。

黎明の稜線(西ノ冠岳、北岳、石鎚山〈弥山、天狗岳、南尖峰〉、二ノ森) 長かった梅雨がやっと開けたと思ったら、今度は滅茶苦茶な猛暑がやってきた。お盆前後は連日、35℃ニアリー。南国お四国では、日中、外を歩く気力がうせる暑さである。新コロナであまり動けず…

2018年(平成30年)の記録 初夏、花ざかりの尾瀬から残雪の会津駒ケ岳へ ③

駒ノ池から高台に建つ、駒ノ小屋。絵に描いたような眺めだ。 7月5日(木)終日、雨 (御池ロッジ→大杉岳→大津岐峠→駒ノ小屋) 本降り。アスファルトをたたく強い雨足の中を6:30雨天完全装備で出発。今日は会津駒の小屋まで10km、5時間程の稜線歩きなので、多少、降ら…

2018年(平成30年)の記録 初夏、花ざかりの尾瀬から残雪の会津駒ケ岳へ ②

7月4日(水)小雨時々曇 (東電小屋→見晴→尾瀬沼東岸→燧ヶ岳→御池ロッジ) 白砂湿原の朝 ぐっすり眠れた朝だけど、お天気は雨。大した降りではないが…。6:00小屋を出発し、見晴に向かう。風はなく、そぼ降る雨の中に黒々とした燧ヶ岳がくっきりと望める。 小雨…

2018年(平成30年)の記録  初夏、花ざかりの尾瀬から残雪の会津駒ケ岳へ ① 

牛首手前からの見返り至仏山 水芭蕉…。あまりに有名な尾瀬の代名詞? でも、水の豊富な地ではごくありふれた存在だし、清楚な花の時期を過ぎると果ては収拾のつかない姿に…。この花から始まる混雑をいかに避け、かつお花の咲きそろうタイミングを逃さないか。天…

赤石山系・峨蔵越から赤星山へ ― 皿ガ嶺赤柴峠からのトレースを延長できた、日帰りトレッキング

快晴の中、二ツ岳方面の稜線を眺めつつ、峨蔵越を目指す。 GW中というに、新コロナで県外山行はままならず、極力人に会わないルートも求められる中、県内のお山でもマイナー中のマイナーの選択で、峨蔵越から赤星山(標高1,453.2m、以下同じ。)までトレースを延ばすことにする…

4月、堂ヶ森は名残の雪 ― 保井野ルートで二か月遅れの忘れ雪を楽しむ

山頂より左から西ノ冠岳、石鎚山、鞍瀬ノ頭を望む 4月に入って、いよいよ春本番。トレランコースにしている花のお山・皿ヶ嶺(1,278m)もシコクカッコソウの今年の初花が咲いたというに、なんの気まぐれか、中旬に大雪。南岸低気圧の通過に伴う寒気流入で、暖国お四国でもお…

吉居林道から早春の笹ヶ峰へ ― 毎春のお約束、風の花 雪割一華に会いに行く

雪割一華 今冬は、暖冬と気まぐれな降雪に振り回されたけれど、3月も下旬ともなると、お四国のお山にもさすがに春の足音が。時期的には一週間ほど早いものの、この暖冬、もう咲いているはずと、あえてこのコースを選択。多少、林道歩きがあってもせいぜい小1時…

2016(平成28)年)の記録 ② 大峯奥駈道…ちとハードでも収穫あったGW5日間

大きく蛇行する熊野川の流れ Ⅱ 南奥駈 5/1(日)・入山3日目(楊子ヶ宿→釈迦ヶ岳→太古ノ辻→持経・平治の宿→行仙岳→行仙宿) 今日も良い天気だ。4:00起床、5:15お宿を出発。昨日で北奥駈のメインを踏破し、その最後のハイライトになる釈迦ヶ岳(1,799.6m)へ向かう。…