五代ヶ森へ  五代の別れ-五代ヶ森-鉄砲石川周回 究極?の笹ブッシュを行く。

 

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五代ヶ森山頂から東温アルプスを望む。

 五代ヶ森(ごよがもり/標高1,713m、以下同じ。)石鎚山系・二ノ森~堂ヶ森間を歩くといやでも視界に入ってくる、南に延びる長~い尾根の盟主となるお山だ。古くは、五葉ヶ森と記したらしい。なんでも山域に五葉松が多かったのが由来とか。ちなみに、1906(明治39)年測量の五万分の一地形図を確認すると、「五代森」と表記されていた。

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裏参道-二ノ森-五代ヶ森-鉄砲石川周回・概念図。破線は計画コース。

 このお山に登るには、①旧面河村大成から林道経由で稜線に取り付き山頂に到る、尾根ルートと②数年前、坂瀬林道(未舗装)の中途から尾根沿いに1,520mの稜線に乗る、坂瀬林道ルートの2本がある。いずれも、地元山岳会のご尽力で開削されたものだ。2年前の3月に尾根ルートから往復した際、坂瀬林道ルートの真新しい案内標識も確認している。

 されど、二ノ森から堂ヶ森に至る同山系の主稜線側からは、アクセスできる道がない。添付の概念図でいうと、鞍瀬ノ頭・五代の別れから山頂までの間である。 

 で、今回、この厄介なルートを歩いてみることにした。派生尾根ではあるが、ずっと気になっていた未踏ゾーンだったし、4月を過ぎると広葉樹の芽吹きで見通しが悪くなるので、タイミングとしてはギリギリだった。それに、新コロナの蔓延防止措置がお四国の当県にまで出るご時世、できるだけ人に会いたくないし…。

 単独行なので周回とし、面河渓泉亭前に車をデポ。初日は、裏参道から二ノ森経由で堂ヶ森避難小屋へ。二日目、いったん五代の別れ(1,800m)まで戻り、稜線を五代ヶ森へ。帰路は三角点(五万ヶ森/1,706.67m)から東側に派生する尾根を下り、鉄砲石川に降り立つコースだ。

第一日(4/20(火)快晴)

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朝日に浮かぶ亀腹の絶壁。オオヤマザクラの老樹がシルエットのようだ。

 7:45面河渓泉亭前で届を出して出発。気温2℃、オオヤマザクラの老樹はすでに青緑美しい葉桜だった。20分程で登山口に着き、石鎚神社の鳥居前で一礼して入山。

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昭和33年建立の古い案内標識 と 裏参道登山口

 2か月前にも歩いた道だが、やはり4月。新葉が開き始め、2月のわび、さびの雰囲気から早春の明るい華やぎが感じられて、趣も変化していた。ミソサザイが追ってくるように盛んに鳴いて歓迎?してくれ、参道脇では山毛欅の実生株を愛でたりと、それなりに嬉しい時間を過ごす。 

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中途のでっかいサルノコシカケ と 芽生えたばかりの山毛欅の実生株

 霧ヶ迫の水場で9:00だった。水量が多い。これだと今夜のお宿の水場も大丈夫だろう。水汲みを止め、顔を洗って汗を拭き、一服する。近くでミソサザイが小さい濃い栗色の体を震わせて、まだ鳴いている。

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霧ヶ迫の水場、右上が登山道。 参道にあったゴミ、まだこんな不心得者がいるとは。

 小1時間ほどで面河山を左に見て巻き、冬道との分岐に着いた。真っ青な空をバックに南尖峰が映える。愛大山岳会石鎚小屋経由で面河尾根ノ頭(三ノ森/1,866m)に登る急登と冬道の尾根通しとどちらにするか、ちょっと考え、予行演習も兼ねて尾根通しを行くことにする。 

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登山道下のクヌギ三兄弟 と 石鎚山遠望、南尖峰がとがっている。

 正午、1,800mの面河尾根ノ頭直下の笹原で昼食を取り、鎚を正面に寝転ぶ。気温20℃ともう初夏並みだわ。ずっと腰までの笹ブッシュで、時に濃いところもあったけれど、この尾根は疎林なので路はなくても、歩き易い。数日前の雪がまだ少し残っていて、喉を潤せたのも有難たかった。

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冬道(面河尾根)点描 と 曲がりくねった根っ子、このお山では多く見かける。
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登ってきた面河尾根。石鎚山南面と二ノ森、左端が目的の五代ヶ森

 頭のピークまで15分程、そのまま通過して13:00には二ノ森(1,929.6m)に居た。すごい好天で、山系の主だったお山や稲叢山をはじめ高知県境のお山まで望め、燧灘も綺麗で満足の一言。 時間はたっぷりあるので、ゆったりコーヒーブレイク。珍しく1時間も大休止し、汗は全て乾いてしまった。

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二ノ森山頂から石鎚山北岳、西ノ冠岳の稜線を一望する。
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面河尾根ノ頭(三ノ森)境界杭 と 登山道の残雪

 鞍瀬ノ頭(一ノ森/1,889m)とのコルで、天場のチェック。縦走路上しかツェルトを張る場所がなく、まぁ止めて正解だったかなと思いつつ、山頂へ。風が通って気持ちがよく、短いけれど昼寝も。

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鞍瀬ノ頭から堂ヶ森への稜線 と 五代の別れへの中途にある穴ぽこ。段々大きくなってる?
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あす歩く五代ヶ森への稜線 と お花だけのショウジョウバカマ、寒そう。

 休憩30分とズボラ山行の典型例みたいな歩きだが、15:30には堂ヶ森避難小屋に着いてしまった。小屋建設時のボッカで、一緒に出発したチェコスロバキア出身の学生さんにまたたく間に置いてゆかれた、苦い記憶がよみがえる。宿泊の準備をして、外の縁台でまた昼寝。今日は誰にも会わず、かつ寝てばかりの一日や。

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今日のお宿、堂ヶ森避難小屋 と 小屋奥にある水場。

 夕刻に保井野から登ってきた、香川から来た若い男性と二人で避難小屋を共にする。月色皓々、真上に北斗七星が鎮座し、この夜は過ごしやすかった。

 

第二日(4/21(水)快晴)

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堂ヶ森山体に懸かる影鞍瀬

 この山行は今日がメイン。カップラーメンのみの貧素な朝食をすすって、5:30出発。気温8℃と妙に暖かい。40分弱で五代の別れ(1,800m)。面河本谷側から吹き上がる風に煽られながら、ブッシュ仕様に態勢を整え、目の前の1,784mピークに向かって続く、細々とした笹中の踏分道に入った。

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五代の別れから鞍瀬の頭を振り返る。右奥が山頂。

 笹は乾いていて、高さも膝下程だが、倒木も隠れていて悪い。それでも15分程でピーク、その先の1,749mピークへの下りもほぼ同じ時間だった。

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朝日の当たる1,784mピーク と 1,749mピーク。まだうっすら道が見える。

 次の1,700mピークへは、西側の樅の樹林帯を避けて、やや左に振り気味に笹ブッシュを下った。この辺りはやや笹が濃いけれど、ピークに向かって不明瞭な踏分道がある。西側に堂ヶ森がくっきりと浮かび、視点が斬新だ。ピークの笹の中に1㎡ほどのちょっとした平らな岩があり、テラスと称して一休みする。 

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進行方向右手の堂ヶ森、後ろの二ノ森 と 1,749mピークのテラス

 この先からは、もう道はない。下り始めて直ぐ、いよいよ最初の関門、大岩の頂部が姿を現した。すっぱり切れてるわ。下調べでは西側を下るけれど、灌木のブッシュの通過が嫌で東側を下る。ちょっと急だけど腰くらいの笹だけで歩き易かった。雪がある時期だと話は別かもしれないが。

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1,700mピーク先の大岩から五代ヶ森方面 と 大岩を振り返る。

 稜線は、水平道に近い、緩い下りに変化。笹は腰から胸辺りまででもやや薄く、樅の木や広葉樹の灌木帯を縫いながら順調に歩を進める。 

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道中の情景。笹ブッシュ と この尾根はいたる所に岩塊が露出している。

 1,650mピーク手前で、やや古い猪さんの寝床があった。たっぷり笹を敷いて暖かそう。

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笹、広葉樹灌木帯の稜線 と 猪さんの寝床。 

 と、すぐに崖に突き当たる。少し周辺を調べてみて、下れそうな東側に巻く。ここで8:00。適度に風があって汗もかかない、ブッシュマンには快適に近い環境だ。

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崖頂部の大岩 と 下りきって崖を振り返る。

 降りきった、疎林の小さなコル(1,650mピークと1,674mピークの間)で行動食休憩。笹もなく、ここも風が通って涼しい。 このコルは「窓」と呼ばれているようで、鉄砲石川林道から坂瀬林道に尾根を越してゆく、坂瀬山上道の乗越(峠)に当たるらしい。正面にそそり立つ二本の岩峰は、真ん中にある急登の鞍部を登る。土が柔らかく滑りやすい。一応、登り口と登り切った先にピンクの目印テープを付けておく。通過した先には、まあまあ大きい岩が鎮座。灌木の間をぬって西側を巻いてゆく。

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大きい方の右岩峰、左の木の根元から登る。右は、それを越えた先の大岩。

 すぐ、1,674mピークだった。広葉樹の灌木が元気な、なんの変哲もないブッシュピーク。でも、下調べでは、この辺りが尾根の核心部。五代の別れから2時間ちょっと。あまりにあっさり終わってしまった。 

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こんなところにコイワカガミの群落が…。人知れず咲いているのだろうな。

 休憩はせず、そのまま1,690mピークに向かう。薄い笹ブッシュの緩い下り、すぐ40m程の標高差を登り返す。植林なのか判らないが、針葉樹帯を通過、下草がなくピッチが上がる。ピーク手前の風倒木の根元の穴に、今度は猪さんのヌタ場があった。いろいろ工夫するもんやなぁと感心する。

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針葉樹、広葉樹の混じった笹ブッシュ を行く。 猪さんのお風呂、ヌタ場。

 8:50、1,690mピーク。笹と若い広葉樹の灌木帯のなだらかなピーク。静かや。少し行くと展望が開け、正面に五代ヶ森本峰が姿を現した。あと少し、でも全然疲労感はない。 

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なんの特徴もない1,690mピーク・山頂周辺 と 目指す五代ヶ森

 笹をかき分けて、若い広葉樹帯を稜線通しで登ってゆく。ところどころスパっと笹だけの空間があり、鎚や二ノ森、鞍瀬ノ頭が望めて、気持ちが良い。

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山頂への中途にあった、印象的な山毛欅の木

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遠く、左から鞍瀬ノ頭、二ノ森、石鎚山、右奥瓶ヶ森と、重鎮のそろい踏み。

 山頂直下の背の低い灌木帯をやや左に巻いて抜けると、あっさり山頂だった。9:30、五代の別れからほぼ3時間。あまり濃い笹ブッシュはなかったなぁと思い返しながら、2年ぶりの山頂は感慨深かった。未踏ルートのトレースも終り、少し早めのお昼にする。枯木のオブジェの西向こうに浮かぶ、東温アルプスの大きな山塊を眺めながら頂くブラックコーヒーは美味しかった。予定より早いので、その分休憩を増やし1時間程、山頂で寛いだ。 

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山頂直下の灌木ブッシュ と 山頂から三角点のある方向を望む。

 下り。鉄砲石川の林道への下降地点、三角点(五万ヶ森1,706.67m/TR35033408601)へは10分程だった。そこだけ笹が刈り取られていたが、道中笹が濃い。降り口には、2年前歩いた際に視認していた、赤の布テープはもうなかった。

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1,706.67m五万ヶ森三角点。周囲は刈り払われ、わかりやすくなっていた。

 だだっ広い尾根は、下るに従って徐々に明瞭な尾根に変化し、濃い笹ブッシュも下りだと早く、1時間程で1,440m付近の尾根分岐に着いてしまった。 

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1,440m付近の尾根分岐にある倒木 と 下る途中から遠望する石鎚山

 実は、この間が今日一番の笹ブッシュだった。濃く、高さも胸近くまで来る。樅や広葉樹の大木の根元に岩塊が介在して足元も悪く、これを登るのはかなり体力を消耗するだろう。時折、GPSを確認しながら、ほぼ勘で下っていると、色あせた赤布テープがポツンポツンと目についた。ピンクのポリテープを適時、ヒラヒラ状に設置しつつ下る。1,500mくらいのところに笹の枯れた一画があり、やや左方向にシフトした。これが唯一の顕著な目印になるくらい、特徴がない尾根だ。 

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1,500m付近にある、笹枯れの一画 と 元気な笹ブッシュの明るい尾根を下る。

 1,440mの尾根分岐は、かなり明瞭で右の尾根に入りたくなるが、ここは左に下る。次第に尾根が細身になり、また赤布テープの残骸が現れる。この効用はメンタル・トランキライザーか。実際、その安心感は計り知れなかった。右手に二ノ森や石鎚が見え、アケボノツツジもこの辺りだともう咲いていて、予定外のお花見となった。

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ピンクのアケボノツツジ と 石鎚山を眺めつつ、下る。

 1,400mくらいから山慣れた人だと直感的に理解できる、うっすら踏分道になった。ここでテープ設置を止め、槇の大木群の中を下る。1,300mで針葉樹の植林帯上限に至り、ここからはピンクや黄色のテープが10m間隔くらいであって、道もほぼ明瞭なものに変わった。

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植林帯上限周辺の状況。写真では判別しにくいが、杣道は明瞭だ。

 12:25、地図上の1,050m独立標高点付近で、右にトラバースする道に出る。ピンクテープも敷設された良い道だ。下調べではまっすぐ下るはずだが、一応、その道を行ってみることに。だが、これに騙された。小沢を一つ越え、20分程で布引滝の上部に出て、まだ巻いている。よくある、尾根を横トラバースするだけの植林巡視道だと確信する。(後日、判明したことだが、この横道は関門遊歩道の猿飛谷前まで通じている、横歩道だった。いらず山谷で一部崩壊しているらしい。ともかく、引き返して正解だった。)

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通過した小沢 と 布引滝上部。浮石だらけだ。

 仕方がないので、布引滝の左手の稜線まで戻り、ルートはないが、そこを下ることにする。鉄砲石川の林道まで標高差200m弱のやや急な下り。ここで万一怪我でもすると窮地に陥る。獣道を使い、ピッチも半分に落として、三点確保の要領で慎重にステップを選んで下った。途中に咲いていたヒカゲツツジの上品な黄色が綺麗で、しばし見とれてしまった。

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もう咲いていた、ヒカゲツツジ。一服の清涼剤だった。

 最後は小沢右岸で林道に合流して13:30、1泊2日の山行が終わった。最後の最後がご愛敬だったが、笹遊びに終始したお山は、明るい尾根歩き中心で、なかなか楽しかった。

 

(あとがき)

 総じて、稜線上の道はないため、ルートファインデイング能力は必須で、うかつに入るコースではない。ただ、笹ブッシュも一部を除いてそんなに濃いとは感じなかったし、岩峰群も巻けば大したことはない。比較的明るい笹ブッシュが続き、経験者は結構、楽しめると思う。

1 面河渓泉亭を起点終点に周回したが、車2台を使用して少人数のパーテイが組めれば、至便なコースも選択できてもっと楽だろう。笹ブッシュの影響を最小限にするには、冬装備はいるが、雪の落ち着く3月頃も狙い目かもしれない。

2 ルートとしては、五代の別れから五代ヶ森へ下る方が楽だと思う。逆コースは、1,700mピークに上がる大岩付近に道中一番の濃いブッシュがあり、その登りはかなりのアルバイトになる。それに徐々に高度を上げていくので、笹の抵抗も大きい。

3 鉄砲石川から五代ヶ森に登るルートは、1,400m付近まで踏み跡があるとはいえ急登の連続で、そこから上は、足元の悪い、濃く深い笹ブッシュの急登をこがねばならず、アルバイト量が半端ではない。体力に自信のない方は厳しいだろう。

4 概念図と記録に記しているピーク名や標高は、コース説明上、便宜的に付与したもので、正式でも正確な標高でもないので留意願いたい。