ひねもす 山歩き ショートショート① ー ヒナノウスツボ

 先日、東予地方のとあるお山に日帰りで登ってきた。 平地では晴れていたけれど、お山は良くなくて、ガスが走ったり、小雨が通ったり。 しっかり降ればそれなりに気持ちも締まるんだけど、体が濡れるか濡れないかの微妙なところ。 暑いので、雨具上下の着用は避けたくて、仕方なく、雨具の下だけ着けて歩む。 でも、展望はないし、足元も小雨でもうしっとり濡れてる。無理してピッチを上げる必要もないので、自然に下向きのゆっくりペース。

 あまりきょろきょろしなかったのが幸いしたのか、お花の方が撮ってくれとサインをくれる。 目を向けて、第一印象は「お前、地味やな。」 でも、よく見ると、お顔はなかなか愛嬌があって可愛い、初めて見るけど。

お花のアップ なかなか愛嬌のあるお顔だ

 なんか、葉っぱはイラクサに少し似た感じの鋸歯の心形か広卵形に近く、対生の葉序。 お花は円錐花序に近いようで、花冠は鐘形と壺形の中間ぐらい。 ミニサイズのお花の葯?ではないかと思われる、ふたつの白い卵形のものが面白い。

 やや湿り気味の広葉樹林帯の樹下、そうそう明るくはないゾーンで、ひっそり咲いていた。他の草類との共存はあまり好きではないのかなとちょっと思う。 しかし、なんといってもお花の色が渋いわ、お茶席にぴったりで、おたく、玄人好みかも。 なんともユニークといえば、ユニークな株だった。

お花の全体像 と 葉序の具合などなど