堂ヶ森から黒森峠

f:id:hinemosu_yamajii:20190523222252j:plain

2018.3.10堂ヶ森より松山平野、割石東山(左最奥)を望む。

 2019.3月上旬に、四国・石鎚山系~赤石山系間の最後の空白地帯となっていた、堂ヶ森~黒森峠間、約9kmを歩いた。

 コース上の最高点は青滝山で、標高は1,303m。時期は笹ブッシュでも比較的涼しいであろう?3月を選択。

 早朝の黒森峠(986m)にクロスバイクをデポ、そのまま梅ヶ市集落の堂ヶ森登山口に車を廻し、7:30登山開始。

 快晴、杉花粉飛びまくりの中、伐採作業の植林帯を通過し、8:50登山道が折れ曲がる1,350m地点から縦走に入る。

 最初は道のない急坂の下りで笹根元に残る残雪を踏み破りつつ、二重山稜を下る。1,250mのコブ手前あたりで膝下の笹の中から踏分道が現れ、道は市町境界の稜線に沿って終点の割石東山(1,073m)まで細々と続いていた。 

f:id:hinemosu_yamajii:20190523222550j:plain

遠く霧氷の堂ヶ森山頂反射板を見る

 暗い植林帯と明るい広葉樹林帯の境を進み、遠く、白い霧氷の冠をかぶった石墨山、皿ヶ嶺連峰が青空に映える。

 相名峠9:35通過。保井野から梅ヶ市へ抜ける古い峠道は、残置テープにかすかに人の気配が感じられるものの、梅ヶ市側はほぼ廃道に近い。 

f:id:hinemosu_yamajii:20190523222703j:plain

相名峠

 ここから青滝山への登りが始まる。存在感のある1,264mピークを過ぎて広い尾根に出、小さなアップダウンを繰り返す。この辺りは幅員2m程の荒れ道と細い登山道の2本が並行し、まばらな赤テープの登山道の方をたどった。

まだ山眠るの状態ながら、背後からの日差しは強く、予定外の汗が滴る。

 青滝山手前にあった胸までの笹の一帯は、根元に明瞭に道を確認でき、全く問題はなかった。

 10:30ドカンと明るい青滝山山頂。かつてヘリポートがあったという面影はなく、展望もなし。蕗の薹がそこかしこに花芽を出していて、暑さもあってここで大休止。 

f:id:hinemosu_yamajii:20190523222747j:plain

青滝山三角点

 ここからの下りは、短い距離ながら背丈を超える笹ブッシュを漕ぐ。この辺りがコースのハイライトかもしれない。猪さんの寝床がいくつもある中、やがて道は植林巡視道と思われる明瞭で結構な角度の下りに変化した。 

f:id:hinemosu_yamajii:20190523222852j:plain

猪の寝床、丁寧なつくりでふかふか。

 11:50海上(かいしょ)峠。最奥の集落名が峠の名称らしいけれど、峠道はもはや跡形もない。

 杣野山への登りは、またまた背丈超え笹ブッシュ再現。ここも距離は短く、十分な日照のためか、なかなか手強い笹だ。ピークを乗越して12:30広い尾根末端の1,200m辺りで30分休憩、少し遅いお昼を取る。

 この先、1,107mピークから1,058mピークの間は稜線上の細い岩稜帯を縫うように進む。石碑もどきや穴から青空がのぞく岩峰群と、意外と変化があって面白く、飽きさせない。

f:id:hinemosu_yamajii:20190523223152j:plain

岩穴から青空が…

f:id:hinemosu_yamajii:20190523223248j:plain

送電鉄塔(割石東山は近い。)

 13:40 1,058mピーク。すぐ送電鉄塔が現れ、もう終点の割石東山は目の前。緩い登りと胸までの笹ももう苦にならなかった。13:50割石東山着、あっさり縦走は終了。

f:id:hinemosu_yamajii:20190523223406j:plain

黒森峠への下りから鉄塔、遠く堂ヶ森を望む。

 長年の懸案を解消した割には感慨とか特になく、嬉しさは夜の地形図読み遊びの際にでも、じんわりと湧いてくるかもしれない。

※ 追補  縦走路の刈払いが2019.3月の本トレース後に行われたようで、この年に歩かれた方から御連絡を頂いた。したがって、本稿記載の笹ブッシュはもう解消されたようである。