御来光ノ滝へ

 石鎚スカイライン長尾尾根展望台から御来光の滝、面河道をゆく

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御来光ノ滝 (落差102mといわれる二段の滝。日本の滝百選に選出。)

 5/25(土)、ふっと1日空いたので、久しぶりに面河本谷から昔の遊歩道沿いに御来光の滝へ。帰路は面河裏参道を歩いて面河へ下った。

 9:40に石鎚スカイライン中途の長尾尾根展望台前で路線バスを下り、快晴の中、出発。

 ミヤマシキビの大群落が現れると本谷の砂防堰堤はもうすぐだ。対岸へ移り、10:07今年もサルナシの大株が元気に枝を張っている本谷と番匠谷との分岐で一服する。涼しくて休憩にはもってこいだ。水量は、最近、雨が降っていない割に普通で、あまり影響は出ていないようだ。番匠谷奥のねじれ滝まで行きたくなってしまった。

 ここからは本谷遡行ではなく、山斜面沿いに高巻くルートを選択し、すぐに難所の一つ、ぬめった小沢を横断。階段状の河床の下は切れ落ちているので要注意、慎重に渡る。

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ぬめった小沢

 10:30風が通って涼しい小尾根の乗越(勝手に風通し峠と呼んでる。)を通過。直ぐに2回目の渡渉。昨年の台風等で河床が大分変化し、石伝いに渡りやすくなっていた。

 ここから七つ滝までの20分間は、このコースのハイライトだ。栃の大木と白色の綺麗な滑滝が連続し、面河ブルーの水面も美しい。撮影と小休止。瀬音とカラ類の鳴き声のミックスに心が和む。

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滑滝 (そのままトレッキングシューズで歩けるほど浅い。)

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七つ滝(下)

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七つ滝より下流を望む

 直ぐ先の渡渉に一苦労していた3回目のポイントは、大石がなくなってずいぶん楽になっていた。

 右岸の昔の遊歩道である高巻き道を行く。踏分け道だけれど石積みもあってしっかり作られており、敷設頂いた先人に感謝、その苦労が偲ばれる。

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鬱蒼とした樹叢を行く

 11:00犬吠谷出合、魚止ノ滝通過。再度、左岸へ渡渉し直し、11:30水量がちょろちょろの南沢出合に到着。気温22℃、今日は夏日の予報で、山中でも日差しは厳しい。 

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南沢出合

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枝沢のイワタバコの新芽

 11:48 数年前に苔むした小橋が流された、コース最大の難所、逆層スラブ状の小沢に出る。新たに渡されたロープ1本を敢えて使わず、本谷まで10m程を下降し本流と並行に走る一枚岩の上を通過。 高巻き道までゴーロ帯の登り返しが必要だけど通過時間は5~10分ほどで、初心者にも安全な巻道として使えると思う。

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逆層スラブ状の小沢

 12:00御来光ノ滝着、無人。豪快に落下もやや水量は少ないか。ゆっくり昼食とコーヒーブレイク。滝音と鳥の声以外はなにもない、静謐の時間を楽しむ。

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左岸のカエデ (秋の紅葉は美しい)

 12:45、滝の右岸に沿って面河裏参道に至る急登連続の巻道を進む。 テープが古いところは新たに敷設しつつ、水の流れる小沢のザイル付きの急登も倒木を巻いて無事通過。あまり人が歩いていないのだろう、踏み跡も薄い。

 13:10中沢分岐。シャクナゲが満開でしばしカメラが活躍する。

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満開のホンシャクナゲ

 分岐から面河道との合流点までは、かつて胸までの笹だったけれど今回はきれいに刈り払われていて大変、助かった。(愛媛大山岳部の方か?有難うございました。)途中、南尖峰が樹間から見え隠れし、そのアルペン風の姿にしばし見惚れる。

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南尖峰と大砲岩、右に中沢

 14:05石鎚小屋着。休憩中、玄関と窓を開けて小屋に風を通す。小屋は無人で下山途中の広島から来た若い夫婦連れと少し話す。

 14:15下山開始。この路は秋のブナ、カエデ類の黄(紅)葉が見事なコースながら春の新緑もなかなか趣があって捨てがたい。

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これ根です。すごい迫力。

 のんびり鎚南面を見ながら稜線漫歩、途中の勝手にドングリ四兄弟と命名してるコナラの大木に挨拶する。 

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ドングリ四兄弟

 

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(参考)冬のドングリ四兄弟

 15:15霧ヶ迫の冷たい水で喉を潤し、顔も洗って少し生き返り、15:50旧国民宿舎奥の車デポに帰着。

 終日、広葉樹林がメインの樹叢を歩いてフィトンチッドをたっぷりと浴び、涼感も満点の山行でした。

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ブナの幼生 (山系の代替わりは順調のようです。)